※この記事には映画「夜明けのすべて」のネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
松村北斗さん目当てで観た「夜明けのすべて」
映画「ファーストキス」の松村北斗さんが素晴らしすぎて、配信サービスで「夜明けのすべて」を観てみた。上白石萌音さんとの朝ドラコンビ復活も気になり、期待しての視聴だった。
PMSとパニック障害を抱える2人の物語
PMSとパニック障害という、日常生活に支障をきたしてしまうにも関わらず、なかなか一般的には理解してもらえない病気を抱える2人の主人公。そんな彼らが、周囲の人々に見守られながら、少しずつ互いを理解し助け合い、絆を育てていく。「男女間の間でも、苦手な人であろうとも、助けられることはある。」という山添の言葉が心に残った。
やがて2人はそれぞれの居場所を見つけ、彼らの日常は再生していく。
見ていて辛かった前半
前半は正直、見ていて辛かった。上白石萌音さん演じる藤沢さんの虚な表情も、パニック障害で多くのものを失った松村北斗さん演じる山添くんの孤立も痛々しく、胸に刺さるシーンが続く。そんな中で、最初に山添くんの居場所を作ろうとしたのは藤沢さんだった。彼もそれを感じ取って、少しずつ変わり始める。
「助け合う」ということの意味
「男女間の間でも、苦手な人であろうとも、助けられることはある。」
この言葉が強く印象に残った。
辛い時に「気にしない方がいいよ」と言われるのは本当にきつい。逆に、その辛さに興味を持ち、理解しようとしてくれる人がいることは、それだけで救いになる。
松村北斗さんの演技に惹き込まれた
松村北斗さんは「ファーストキス」でもそうだったが、人が再生する瞬間を表現するのが本当に上手い。
山添くんが藤沢さんの病に興味を持ち始めたあたりから、彼の表情が明らかに変わっていく。仕事の上でも好奇心や行動力が戻り、言動にも変化が見られる。彼はどん底からゆっくりと立ち上がっていった。この過程を松村北斗さんが自然に演じていて、惹き込まれた。
また、藤沢さんに対して変に優しくなりすぎず、適度に突き放すようなクールな発言もキャラクターにマッチしていた。
渋川清彦さんの演技が光る
山添くんの元上司役・渋川清彦さんの演技も素晴らしかった。出番は少ないが、彼が時折見せる表情から、山添くんを本気で心配し、立ち直る姿に安堵しているのが伝わる。
前半では、彼が山添くんのことをどれほど気にかけているのかが分かりづらく、ひょっとすると面倒に思っているのかも…とすら感じた。しかし、後半で見せる優しい表情にはグッときた。
渋川さんは、彼を初めて知った映画「ゴールデンスランバー」でも、ラストに味方だったと分かる役柄を演じていたが、今回も彼の魅力が存分に発揮されていた。
「夜明けのすべて」が伝える温かさ
気づけば、この映画、周囲の人がとても優しい。だから「現実がこうだったらいいのに」と思う一方で、穏やかに日常を過ごしているように見える人でも、必死に足掻いているのだろうと気付かされた。ただ、手を差し伸べてくれる人に出会えるかどうかは、現実ではさらに難しいのかもしれない。
人には居場所が必要だ
人には居場所が必要で、それを作ってくれる人に出会えたら、それ以上の幸運はない。そんな関係を大切にしなければならない。
ありふれた日常の尊さ
日常というのは当たり前に思えるけれど、実は当たり前ではない。そして、一度失った日常を取り戻すのは容易ではない。一度失われた日常を取り戻すことができたとき、その瞬間はとても尊く、感動的なのだと改めて思わされた。
「映画『夜明けのすべて』の詳細は公式サイトをご覧ください。[公式サイトリンク]」
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