北海道日本ハムファイターズが投打の歯車をがっちりと噛み合わせ、オリックス・バファローズに7対3で快勝。チームの貯金は「3」となった。打線では清宮幸太郎、万波中正、野村佑希の中軸3選手が揃って本塁打を放ち、投げてはエース・伊藤大海が7回1失点(自責点0)の快投を披露。新庄剛志監督も試合後、選手たちの活躍に賛辞を送り、独自のコメントでファンを唸らせた。
熱気に包まれた京セラドーム
ゴールデンウィーク終盤の5月6日(火)、多くのファンが詰めかけた京セラドーム大阪での一戦。午後2時1分に始まった試合は、午後5時21分に終了する3時間20分の熱戦となり、観客数は35,153人を記録。ファンは両軍の好プレーに歓声とため息を繰り返した。
先発投手:伊藤と東、対照的な背景
日本ハムの先発は今季安定感抜群の伊藤大海(右、今季防御率2.92)。対するオリックスは、右肘手術からの復帰を目指す東晃平(右)が今季初登板でマウンドに上がった。東は日本ハム戦で通算4勝2敗、防御率1.51と好相性を誇るだけに、約1年ぶりの一軍登板に期待がかかった。
序盤:静かな立ち上がりから一転、日本ハム打線が爆発
初回、日本ハムは吉田賢吾の四球出塁も、松本剛の併殺打などで無得点。一方のオリックスも無死一・二塁のチャンスを作るも、後続が倒れ先制ならず。
試合が動いたのは2回表。野村がレフト線へツーベースを放つと、清宮が左中間へ先制のタイムリーツーベース。続く万波も右中間へタイムリーを放ち、さらに水野のタイムリーヒットでこの回一挙3点。オリックス先発・東はこの回で降板となった。
中盤:オリックス反撃も、伊藤が冷静な対応
4回裏、オリックスは森がライト前ヒットを放ち、万波の後逸で三塁へ。続く中川がセンター前にタイムリーを放ち1点を返す。しかし、伊藤はその後を落ち着いて抑え、最少失点にとどめた。
清宮、トルピードバットで豪快2ラン
6回表、野村のヒットから、清宮がライトスタンドへ今季第3号となる2ランを放ち、貴重な追加点を挙げた。使用していたのは、話題の「トルピード(魚雷)バット」。この一発が「魚雷バット」初の公式戦本塁打と見られており、注目度も高まる。
伊藤大海、盤石のエース投球と五十幡の好守
伊藤はその後も安定した投球を続け、7回裏には森の鋭い打球をセンター・五十幡亮汰が好捕。試合の流れを守るビッグプレーだった。伊藤は7回95球、被安打6、奪三振3、失点1(自責点0)の好投で、堂々の勝利投手に。
終盤:万波&野村の一発で突き放す
8回表、万波が左中間へ第7号ソロを叩き込み、リードを広げる。オリックスも8回裏に森の2点タイムリーツーベースで粘りを見せたが、9回表には野村が今季第5号となるソロを放ち、ダメ押し。最後は田中が締めて、7対3で試合終了。
主役たちの輝き
この日の日本ハムは、4番・野村、5番・清宮、6番・万波の中軸3人で7安打、3本塁打、6打点と爆発。特に清宮は先制打に加え、2ラン本塁打と3打点の大活躍でヒーローインタビューにも登場。話題のバットで結果を出し、今後のさらなる飛躍が期待される。
投げては伊藤大海がエースの貫録を見せつけ、完璧な投球で試合を支配。攻守にわたる選手たちの活躍で、日本ハムは価値ある一勝を手にした。
新庄監督、試合後の舌好調
試合後、新庄剛志監督は勝利にも気を緩めることなく、独自の視点で試合を振り返りました。
伊藤大海投手の快投については、「いつも通り素晴らしいピッチングをするなあ」と手放しで称賛。エースの安定感を再認識した様子でした。
一方、清宮幸太郎選手の「魚雷バット」でのホームランについては、「だから打ち方としては良くないよね(笑)」と、新庄監督らしいユーモアを交えたコメント。結果は最高だったものの、更なる技術の向上を促すような、愛情のこもった「ダメ出し」とも取れる発言でした。
また、この日ホームランを放った万波中正選手に対しては、打撃面での貢献を認めつつも、前日の試合(5月5日)での守備のミスを踏まえ、「今は守備のスランプ。エラーが続くと肘から下が硬くなる。これはいいプレーが続けば直ってくる。とにかく力を抜くこと」と、守備面での課題と改善へのアドバイスを送りました。
そして、7回裏の五十幡亮汰選手の好守備については、「森君の大きな当たりを五十幡君がよく捕ってくれました。あれが抜けていたら流れが変わっていたと思うし。めちゃくちゃ助かりました」と絶賛。打撃成績だけでなく、守備での貢献がいかにチームの勝利に重要であるかを改めて強調しました。
新庄監督のコメントからは、個々の選手の活躍を喜びつつ、常にチーム全体の成長と細部へのこだわりを忘れない姿勢がうかがえます。
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