久保建英選手の去就を巡り、スペインのクラブ・レアル・ソシエダに激震が走っている。
2025年夏の移籍市場を前に、プレミアリーグやラ・リーガのビッグクラブからの関心が高まる中、ソシエダ会長・アペリバイ氏が「放出の考えは一切ない」と断言。この発言は移籍報道に対する公式な“ストップサイン”のように受け止められている。
しかし、水面下では久保選手による代理人の電撃変更が報じられ、クラブとの温度差も見え隠れする状況だ。本人の発言にも「契約はあるが、何があるかは分からない」という含みがあり、将来に対する迷いをにじませている。さらに、恩師イマノル監督の退任や欧州カップ戦出場権の逸失など、クラブ全体が転換期を迎えており、久保選手がキャリアの次の一歩を考えるには十分な材料がそろっている。
注目すべきは、6000万ユーロという巨額の契約解除金と、古巣レアル・マドリードが保有する“セルオン条項”という複雑な契約構造。 これにより、クラブが移籍交渉に応じる可能性は極めて限定的だが、逆にいえば、金額さえ満たせば交渉は現実のものとなる。
ソシエダ会長の発言の真意とは何か? 久保建英は今夏、どのような決断を下すのか?
本記事では、最新の動向・背景・契約事情をもとに、久保建英選手の移籍の可能性を多角的に分析する。
ソシエダ会長の断固たる姿勢
2025年5月29日、レアル・ソシエダのアペリバイ会長は記者会見で衝撃的な発言を行った。
「私たちに彼を移籍させる考えはまったくないし、来季もここにいてくれることを望んでいる」
この力強い言葉は、過熱する移籍報道に一石を投じるものだった。会長はさらに続けて、「彼を放出する必要性や考えなど一切ない」と断言し、久保選手がチームに残留することを前提とした話し合いが進められていることを強調した。
スペインの名門スポーツ紙『ムンド・デポルティーボ』によれば、会長は「タケ(久保選手)はここで非常に幸せであり、これからも続けるだろう。我々は彼をとても愛しており、彼が永遠にラ・レアルに留まることを願っている」とまで語ったという。
しかし、水面下では異なる動きが?
代理人変更という「決定的な動き」
移籍市場において、選手の代理人変更は大きな転機のサインとされる。久保選手は最近、国際的な大型移籍案件を多く手掛けるドイツの大手代理人事務所「Sports360」と新たに契約を結んだ。
地元紙『ディアリオ・バスコ』はこれを夏の移籍市場を見据えた「決定的な動き」と報じている。特にこの代理人事務所がプレミアリーグと強いつながりを持っていることが、イングランド移籍説に拍車をかけている。
興味深いことに、アペリバイ会長は会見で「(久保選手側から)代理人を代えたとは聞かされていない」と述べている。スター選手の重要な契約変更について、クラブ首脳が全く関知していないというのは不自然ではないだろうか?
久保選手自身の本音は?
2025年5月初旬、久保選手は地元メディアの取材で含みのある発言をしている。
「今のところ契約があるし、レアル・ソシエダに残り、レアル・ソシエダが良くなることが僕の考えだけど、監督と同じで、何があるかは決して分からない」
さらに注目すべきは、チームの現状への率直な思いだ。
「試合を支配し、次々とチャンスを作っていた頃のレアル・ソシエダが少し恋しい。最近はそうではない」
これらの言葉からは、より高いレベルでのプレーを望む久保選手の野心と、現状への多少の不満が読み取れる。
複雑な契約事情が生む高いハードル
6000万ユーロという壁
久保選手の移籍を複雑にしているのが、契約に設定された6000万ユーロ(約98億円)という巨額の契約解除金だ。レアル・ソシエダは、この金額が全額支払われない限り、いかなる交渉にも応じない強硬姿勢を貫いている。
レアル・マドリードの影
さらに複雑なのが、久保選手の古巣レアル・マドリードが保有する「セルオン条項」だ。これは将来の移籍における売却益の50%をマドリードが受け取るという契約で、ソシエダにとって安売りが事実上不可能な状況を作り出している。
つまり、6000万ユーロで売却された場合、ソシエダの手元に残る実質的な利益は半分以下になってしまうのだ。これが会長の強硬姿勢の真の理由と言えるだろう。
欧州ビッグクラブの動向
プレミアリーグの関心
リバプールとアーセナルが久保選手獲得に関心を示していると報じられているが、6000万ユーロという価格設定がハードルとなっている。特にリバプールは、久保選手の得点力がモハメド・サラー選手に及ばない点などを考慮し、獲得レースから手を引く可能性が高いとの報道もある。
アトレティコ・マドリードの戦略的関心
ラ・リーガの強豪アトレティコ・マドリードも、戦力補強とアジア市場開拓の両面から久保選手に関心を寄せているという。イ・ガンイン選手と共にアジア戦略を展開する構想があるとされている。
ソシエダの変革期という要因
久保選手の決断に影響を与えそうなのが、ソシエダの現在の状況だ。
- 恩師イマノル・アルグアシル監督の退任発表
- 来シーズンの欧州カップ戦出場権逃し
- 中盤の要マルティン・スビメンディ選手の移籍濃厚
これらの要素が、久保選手に自身の将来を再考させる材料となっている可能性は高い。
結論:真実は契約解除金にあり
アペリバイ会長の力強い「放出せず」宣言も、結局のところ「6000万ユーロを払えば話は別」という意味に解釈できる。これはラ・リーガのトップ選手の移籍では一般的な状況だ。
久保選手の代理人変更、本人の含みのある発言、クラブの変革期、そして欧州ビッグクラブからの関心——これらすべてが、移籍の可能性を示唆している。
最終的には、いずれかのクラブが巨額の契約解除金を支払う決断をするかどうか。そして、エリートレベルでの競争を求める久保選手がどのような判断を下すか。
この夏、日本サッカー界最大のスターの去就に、世界中が注目している。
「久保建英選手の最新情報については、レアル・ソシエダ公式サイトをご覧ください。」
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