8月3日の京セラドーム大阪でのオリックス戦、スコアボードに「9-0」という数字が輝きました。投げてはエースが試合を作り、打っては効果的に得点を重ねる。まさに投打ががっちり噛み合った、見ていて本当に気持ちの良い試合でしたね。
エースの粘投と、新たな感覚
この日のマウンドに上がったのは、エースの伊藤大海投手。6回を投げて無失点という見事な内容で、今季11勝目を手にしました。両リーグの勝利数でも単独トップに立つ、素晴らしい結果です。
ただ、決して楽なマウンディングではなかったように思います。6回で114球を投げ、7本のヒットを打たれながらも、粘り強くゼロを並べ続けた。特に、大量援護をもらった後のイニングでも集中力を切らさず、要所を締めるピッチングはさすがエースだと感じさせられました。
試合後の本人の言葉がまた興味深かったです。「一生懸命全力で投げている時は点を取られて、きょうみたいなヒョイヒョイ投げている方が点を取られなかったり」。大量リードがあったからこそ、良い意味で力が抜け、結果的にボールのキレやコントロールに繋がったのかもしれませんね。苦しいながらも、こういう形で勝ちを重ねていけるのは、チームにとっても本人にとっても大きな収穫だと思います。
序盤の猛攻で試合の主導権を握る
一方の打線は、序盤から見事に機能しました。
試合が動いたのは3回。五十幡選手のタイムリーヒットで3点を先制し、試合の主導権を握ります。そして圧巻だったのが4回の攻撃でした。この回、先頭の野村選手がソロホームランを放つと、そこから打線に火がつき、田宮選手、松本剛選手もヒットで続きました。とどめは、フランミル・レイエス選手が放ったバックスクリーンへの特大2ランホームラン。この一発で試合の大勢は決まったと言えるでしょう。この回だけで一挙6点。見事なビッグイニングでした。
この日のヒーローインタビューに選ばれた五十幡選手は、5打数3安打の猛打賞。まさにリードオフマンとして、攻撃の起点であり続けました。そして、チャンスの場面で4打点を叩き出したレイエス選手。上位で作ったチャンスをクリーンアップが確実に返す、という理想的な攻撃の形が、この日の勝利を大きく手繰り寄せました。
主役は選手たち。監督からの粋なメッセージ
試合後、新庄監督は「これから温泉に行くので、選手に聞いてあげて」とだけ、広報を通じてコメントしたそうです。
これは多くを語らずとも、この日の勝利の主役は素晴らしいプレーを見せた選手たちだ、という監督らしい配慮だったのでしょう。こういう形で選手にスポットライトを当てる姿は、見ていてなんだか嬉しくなりますね。
圧巻の勝利を飾った選手たち。きっと、良いお湯で疲れを癒すことができたんじゃないでしょうか。
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