浅間大基が継ぐ「執念」の一発。チームの絆で掴んだファイターズ大勝

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2025年9月15日、エスコンフィールドHOKKAIDOで行われた西武ライオンズ戦。北海道日本ハムファイターズは12-5で快勝し、これで3連勝を飾った。

12安打で12得点と打線が繋がり、多くの選手が活躍したが、この日の主役は一軍復帰したばかりの浅間大基だった。怪我で離脱したライバル・今川優馬の代名詞である「執念」という言葉を胸に放った一発は、今シーズンのファイターズの強さを象徴しているようだった。

試合結果

チーム123456789RHE
埼玉西武0021000025111
北海道日本ハム00200730X12120

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  • 勝利投手: 金村 (5勝7敗0)
  • 敗戦投手: 與座 (6勝4敗0S)
  • 本塁打:
    • [西武] セデーニョ 5号, 西川 10号
    • [日本ハム] レイエス 31号, 浅間 2号, 万波 20号

試合を動かした6回の猛攻

試合は中盤まで一進一退の攻防だった。3回にファイターズが水谷のタイムリーで2点を先制すれば、西武もすぐさま同点に。4回にはセデーニョのソロホームランで西武が勝ち越し、やや重い空気が流れ始める。

その雰囲気を一変させたのが、1点ビハインドで迎えた6回裏の攻撃だった。

口火を切ったのは、先頭のアリエル・レイエス。西武先発・與座の球を捉え、左中間スタンドへ31号の同点ソロホームランを叩き込む。この一発で息を吹き返した打線は、四球とヒットで満塁のチャンスを作ると、1番・水谷がレフトへ勝ち越しのタイムリーヒットを放ち、逆転に成功する。

そして、この回のハイライト。なおも続くチャンスで打席に立ったのが、この日一軍に昇格し、即スタメン出場していた浅間大基だった。浅間は甘く入った球を逃さず振り抜くと、打球はライトスタンドへ。試合の大きな流れを決める3ランホームランとなった。

この回、ファイターズは打者一巡の猛攻で一挙7点を奪い、試合の主導権を完全に引き寄せた。

浅間が語った「執念」の意味

このホームランは、浅間にとって4月25日以来、約5ヶ月ぶりとなる一発だった。開幕当初は5番を任されながらも左肩の負傷で長期離脱。苦しいリハビリを経て掴んだチャンスで、最高の結果を出した。

試合後のヒーローインタビューで、浅間の言葉がファンの心をさらに掴んだ。

「(鎌ケ谷で)同級生(の今川優馬)と一緒に頑張ってやってたので。正直その先に優馬が上がって、頑張って欲しいという気持ちもあったので。そこは本当に僕が執念受け継いで、彼の分も頑張ろうと思います」

同じポジションを争うライバルであり、先に一軍昇格を果たした今川が、再び怪我で戦列を離れた。その今川の魂ともいえる「執念」という言葉を、自らが引き継いで戦うと宣言したのだ。

「執念」は、度重なる不運を乗り越えてプロの世界にたどり着いた今川の代名詞として、ファンにも広く知られている。ライバルの離脱を単なるチャンスではなく、チームとしての責任に変える。この言葉から、ファイターズというチームに根付く選手同士の強い絆が感じられた。

盤石の追加点と、新庄監督の記憶

7回には、代打の万波中正がシーズン20号となるダメ押しの3ランホームランを放ち、勝利を決定づけた。

試合後、新庄監督は浅間について、広報を通じて次のようにコメントした。

「2022年3月31日、僕が監督として初めて勝った試合で浅間君が與座君からホームランを打っていたので、今日もやってくれることはわかっていた!あとは選手に聞いて!」

3年以上も前の日付、対戦投手、そして結果まで正確に記憶していたことに驚かされる。監督が自分の過去の活躍を詳細に覚えてくれているという事実は、選手にとって大きな信頼とモチベーションになるだろう。この日のスタメン起用が、過去の実績に基づいた確信を持った采配であったことがうかがえる。

シーズン終盤の厳しい戦いが続く中、ファイターズは投打が噛み合い3連勝を飾った。個々の選手の活躍はもちろん、不在の仲間の想いも背負って戦うチームの結束力が、大きな推進力になっている。

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