エース伊藤大海が圧巻の12勝目!若手の躍動で楽天を破り、首位の背中を追う!

グランドとボール パリーグ

2025年8月17日、楽天モバイルパーク宮城。首位ソフトバンクを猛追する北海道日本ハムファイターズは、東北楽天ゴールデンイーグルスとの激闘を7-5で制し、価値あるカード勝ち越しを決めた。この日の主役は、7回2失点の快投でリーグ単独トップとなる12勝目を挙げたエース・伊藤大海。そして、主力を休ませる中で抜擢に応えた若き野手たちだった。終盤に猛追を受けるヒヤヒヤの展開ながらも、チームの成長を証明する大きな1勝となった。

マウンドの支配者、伊藤大海

今やパ・リーグを代表するエースへと成長した伊藤が、この日も圧巻の投球を見せた。楽天打線を相手に、7回を投げ被安打はわずか4、8つの三振を奪う力投。7回にボイトに2ランホームランを浴びたものの、そこまではほぼ完璧な内容で試合を作り、勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。

これで今季12勝目。両リーグを通じて単独トップに躍り出る快挙だ。安定感抜群の投球はチームに絶大な安心感を与え、まさに勝利を呼び込むエースの働き。彼がマウンドにいる限り、ファイターズは試合の主導権を握り続けることができる。その絶対的な存在感を、改めて示す一戦となった。

主力の休養を埋めた若手の躍動

新庄監督は、過密日程を考慮し、この試合で一部の主力を休ませる決断を下した。しかし、今のファイターズには、その穴を埋めて余りある若手がいる。この日、指揮官の期待に完璧に応えたのが、5番に抜擢された矢澤宏太と、スタメン出場を果たした有薗直輝だった。

試合が動いたのは3回。1-0で迎えた一死一、二塁のチャンスで打席に立った矢澤が、楽天先発ヤフーレから走者一掃となる2点タイムリースリーベースを放ち、貴重な追加点を挙げる。さらに続く有薗もタイムリーで矢澤を還し、この回一挙3点。若手の連打で試合の主導権を完全に引き寄せた。

有薗はこの日、プロ入り初となる猛打賞を記録。新庄監督が試合後に「(先発出場して3安打した)有園くんも右方向のバッティングは、代打でも面白いかなとは思いましたから」とコメントしたように、首脳陣に強烈なアピールを果たした。矢澤についても「今日は(5番に抜擢した)矢沢くんも打ってくれたし」とその活躍を称賛。レギュラー陣を脅かす若手の台頭は、チームの総合力を底上げし、熾烈な優勝争いを勝ち抜く上で不可欠なピースとなるだろう。

ヒヤリとする終盤も、成長の証

7-2とファイターズの楽勝ムードで迎えた8回裏、楽天の猛攻に遭い3点を返され、一気に2点差に詰め寄られる。前日に続く終盤の追い上げに、球場は緊迫した空気に包まれた。

試合後、新庄監督はこの展開を苦笑いと共に振り返った。 「去年はまだ良かったけど、その前の前の年か。ほぼほぼ(この展開なら)逆転されて『わちゃー』で終わってましたけど。でも、去年ぐらいから逆転されないイメージができて、今日勝てたというね」

指揮官の言葉通り、今のチームには確かな粘り強さが備わっている。このピンチをリリーフ陣が踏ん張り、最終回は守護神・柳川が締めてゲームセット。ヒヤリとしながらも掴んだこの1勝は、過去のファイターズであれば落としていたかもしれない試合だった。監督は冗談めかして「しかし8回、ああなるんだったら(7回まで好投していた)伊藤くんをもう一回(続投させて)でいいじゃない、ねぇ」と語ったが、これもまた、チームが一つ一つの経験を糧に成長している証と言える。

主力を休ませながらも、エースが試合を作り、若手が躍動して勝利をもぎ取る。まさにチーム一丸で掴んだこの勝利で、首位ソフトバンクとのゲーム差「3」をキープ。指揮官が「こういう戦いも(選手の)成長の一つ」と語るように、ファイターズは日ごとにその強さを増している。悲願のリーグ優勝へ、視界は良好だ。

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